水プラズマでの発電所内にある難燃性作動油の無害化処理の装置開発 

難燃性作動油は、火力・原子力発電所などにあるタービン制御装置の作動油として使用されています。


この難燃性作動油は定期的に抜油して交換しますが、通常の焼却処理では含有成分であるリン酸エステルの影響と思われる黒煙が大量発生し、黒煙中のリン含有物質により排ガス処理設備のフィルターが目詰まりを起こします。そのためフィルターの交換頻度も高くなり、目詰まりし廃棄物となった大量のフィルターも処理が必要となる難処理物質です。 HELIXでは、この難処理物質の処理をするための装置開発を行っております。

HELIXで扱う水プラズマは、有機物を分解する効果が大きいので、廃油中のリン酸エステルを焼却するのではなく、「水プラズマにより分解」します。

水プラズマによる有機物分解について

・ 水プラズマで有機物を分解する最大の利点は、OHラジカル(ヒドロキシルラジカル)によって有機物を効果的・効率的に分解できることである。OHラジカルは、活性酸素中で最も強力な酸化力を有している。

・ 水プラズマ中心温度は、約2万℃以上に達し、その超高温で有機物を分解する。

・ 水がプラズマ化して発生するOH、O、Hのラジカルが、分解された有機物の炭素、水素、酸素、リン、塩素等の元素と結合し、二酸化炭素、水素、水等になる。

・ プラズマ処理後の気体を急速に冷却することにより、ダイオキシンの生成を抑制する。

装置実験風景